家づくりで「断熱性を上げたい」と考える方は多いですが、実際には住宅メーカーがあまり強く教えてくれないポイントがあります。
断熱性能の高い断熱材や窓、ハウスメーカーの断熱スペックは大切ですが、本当に快適で光熱費のかかりにくい家をつくるには、それだけでは足りません。
大事なのは、日射の取り入れ方、窓の配置、家の形、換気、間取り、窓のシャッターなども含めて、家全体で断熱性を高めることです。
この記事では、住宅メーカーがあまり積極的に教えてくれない「家の断熱性を上げる方法」を、できるだけわかりやすく解説します。
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断熱性能は「冬が主戦場」と考えた方がいい理由

まず前提として、家の断熱性は冬をどう快適に過ごすかを中心に考えるのがおすすめです。
なぜなら、一般的に冷房より暖房の方が消費電力が倍ほど大きく、冬の方が光熱費の負担が重くなりやすいからです。
実際、我が家の場合、夏は日照時間が長く、ソーラー発電が十分できるため、クーラーを電気代無料でしっかり利かせられています。
7月、8月は家族四人でクーラーをたくさん使っても、電気代3000円未満でした。
一方で冬は、太陽の位置が低くなってソーラー発電量も落ちやすく、暖房が大量に電力を消費するため、電気代がどうしてもかかります。
つまり、本当に性能の高い家とは、冬でも寒くなりにくく、暖房費がかかりにくい家だといえます。
もちろん夏の暑さ対策も大切ですが、断熱の考え方としては「優先度は冬の方が高い」と認識しておくと、家づくりの方向性がブレにくくなります。
住宅メーカーが教えてくれない、家の断熱性を上げる方法
1.南からの日射は天然の暖房器具

断熱性を上げるうえで非常に重要なのが、冬の日射をうまく利用することです。
家の南側に大きな窓を、出来るだけたくさん設けることで、太陽光を室内に取り込みやすくします。
窓1m2あたり、暖房効果はLow-Eの日射取得型ガラスで0.5kwほどになります。
掃き出し窓をリビングに二つとった場合、6.5~7m2は面積がとれますので、天気が良ければ2.8kw分の暖房効果が期待できます。
これは大体エアコン1台分、1時間70~80円の電気代をかけて暖房を回しているのと同程度の暖房効果になります。
特にリビングは長時間過ごす場所なので、メリットは大きいです。冬の日差しは、いわば無料で使える暖房のようなものです。
ただし、夏まで同じように日差しが入ると暑くなりすぎるため、軒や庇、ベランダなどで夏の高い位置からの日光は遮り、冬の低い位置からの日光は入るように、角度をよく考えて軒やベランダを設計することが大切です。
2.居室は南側、北側は非居室を基本にする

せっかく南面から日射を取り込めても、そこが廊下や収納ばかりではもったいないです。
そのため、間取りを考える際は、基本的に南側にリビング・ダイニング・寝室などの居室を配置し、北側には玄関・トイレ・浴室・収納・廊下など、比較的人が長時間いない場所を持ってくるのがおすすめです。
この配置にするだけでも、家の中で長く過ごす空間が暖かくなりやすく、体感の快適性が大きく変わります。
断熱性は、単に断熱材の厚みや、ハウスメーカーのスペックだけで決まるものではありません。どこに暖かい部屋を配置するかも、住み心地に大きく関わってきます。
3.窓にはシャッターをつける

家の中で最も熱が逃げやすい場所の一つが窓です。
昼間は南の窓から日差しを入れて室内を暖めても、夜になると窓から熱がどんどん外へ逃げていきます。そのため、夜間の窓対策は非常に重要です。
シャッターをつけると、窓に直接外の風が当たらなくなるため、熱損失を大きく抑えることができます。
また、シャッターは防犯効果もありますので、断熱効果と合わせて一石二鳥です。
最近では、ボタン一つで簡単に開閉できるシャッターもあります。冬の夕方ごろになったら、シャッターをおろし、室内の熱が逃げないようにしましょう。
4.窓は「断熱」より「日射取得」で選ぶ

窓選びというと、「断熱性能の高い窓を選ぶこと」ばかりが強調されがちです。しかし実際には、どれだけ日射を取り込めるかも重要です。
特に南面の窓では、冬の日差しを活かすために、日射取得を意識したガラス選びが有効です。
例えばYKKのLow-Eトリプルガラスのシリーズでは、断熱タイプと日射取得タイプがあります。
南側の窓は、日射取得タイプのガラスを選ぶようにしましょう。ガラスで断熱をきかせすぎると、冬場の日光からの熱まで断熱してしまいます。
5.家の形はできるだけシンプルな立方体に

家の断熱性は、実は家の形にも左右されます。
凹凸の多い複雑な家は、外気に触れる面積が増えるため、そのぶん熱の出入りも増えやすくなります。逆に、四角くシンプルな形の家は表面積を抑えやすく、断熱の面では有利です。
デザイン性を優先すると、どうしても外観に凹凸をつけたくなることがありますが、断熱性だけを考えるなら、できるだけ立方体の家の方が有利です。
もちろん、間取りや見た目とのバランスもあるため、何よりも断熱だけを優先すべきという話ではありません。ただ、「家の形も性能に影響する」ということは知っておいた方がいいです。
7.南以外の窓は必要最小限にする

窓は採光や通風のために必要ですが、断熱性能だけを考えるなら、壁より不利な部分です。
壁の中には断熱材を入れられますが、窓には断熱材を入れられません。そのため、窓はどうしても熱の出入りが大きくなります。
極端なことを言えば、窓が一つもない家こそが、最高の断熱性を持った家、ということになります。
しかし法律上においても、居住性においてもそれは不可能ですし、冬に関していえば南側の窓は日光という熱源を入れるための重要な暖房器具となります。
従って、南にはできるだけたくさんの窓を作り、東、北、西には窓は出来るだけ作らないようにすることが断熱性には有利になります。
ただしここも、採光や住み心地との兼ね合いもありますので、それも含め検討すべき部分となります。
もちろん、窓を減らしすぎると暗さや圧迫感につながるため、採光や換気とのバランスは必要です。ただ、何となく窓を増やすのではなく、「この窓は本当に必要か」を一つひとつ考えることが大切です。
なお、浴室の窓は不要という考え方もあります。理由は以下のデメリットがあるからです。
浴室の窓のデメリット
- 冬に寒くなりやすい
- 掃除の手間が増える
- カビの原因になりやすい
- 覗きの危険性がある
特に風呂場は服を脱ぐため、ヒートショックにもなりやすい場所です。断熱性、安全性を重視するなら、浴室の窓は慎重に検討した方がいいでしょう。
8.熱交換換気を採用する

今の住宅は24時間換気が義務化されています。そのため、どんな家でも換気は必要です。
ただし、通常の換気では、せっかく暖めた空気をそのまま外へ捨てて、外の冷たい空気を部屋に入れることになってしまいます。
そこで有効なのが、熱交換換気です。これは、排気する空気の熱を回収し、その熱を給気側に活かす仕組みです。
これにより、換気しながらも室温の低下を抑えやすくなります。冬の快適性や暖房効率を考えるなら、熱交換換気は非常に相性が良い設備です。
断熱性・快適性を高めたいなら、検討する価値は十分あります。
9.太陽光パネルは遮熱面でもメリットがある

太陽光パネルは「発電設備」というイメージが強いですが、実際には屋根に直射日光が当たり続けるのを和らげるという意味で、遮熱面でもメリットが期待できます。
特に夏場は、屋根が強烈な日差しを受けるため、最上階の暑さが問題になりやすいです。
私自身、以前、ソーラーのない陸屋根の家に住んでいたのですが、夏は二階の温度が40度近くまで上昇し、二階に長時間いることは考えられませんでした。
しかし新しい家になって、こちらも同じ陸屋根の家なのですが、ソーラーパネルをとりつけたところ、二階の温度はさほど気にならず、夏でも快適に長時間いることができます。
住宅メーカーの断熱スペックと同じくらい大切な「断熱設計」
ここまで見てきたように、家の断熱性は「高い断熱材を入れれば終わり」ではありません。
断熱性の高い住宅メーカーに発注するだけではありません。
本当に大事なのは、
- 南からの日射取得
- 間取りの配置
- 窓の性能と数
- 夜間の窓対策
- 気密性能
- 家の形
- 換気方式
といった「断熱のための設計」を、家全体でバランスよく考えることです。
一部だけ豪華にしても、他が弱ければ、快適性も光熱費も思ったほど改善しないことがあります。
逆にいえば、こうしたポイントをきちんと押さえて家づくりをすれば、住宅メーカーの標準提案よりも、ずっと快適で省エネな家に近づける可能性があります。
断熱性のスペックが低い住宅メーカーでも、快適に過ごせる可能性が上がります。
まとめ
家の断熱性を上げる方法としては、断熱材や高性能窓だけでなく、日射取得・窓配置・気密・換気・家の形まで含めて考えることが大切です。
特に意識したいのは、以下のポイントです。
- 冬の日射を南面からしっかり取り込む
- 南側に居室、北側に非居室を配置する
- 窓からの熱損失を夜間対策で抑える
- 窓は断熱性だけでなく日射取得も考えて選ぶ
- 気密性能にもこだわる
- 家の形はなるべくシンプルにする
- 南以外の窓は必要最小限にする
- 熱交換換気を検討する
断熱性を高めることは、冬の快適性だけでなく、毎月の光熱費や家の満足度にも直結します。
これから家を建てる方は、ぜひ「断熱材の種類」だけでなく、家全体の設計として断熱を考えてみてください。

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