こんにちは、みんなの家レビューの編集部のおさむです。
今回は、一戸建ての軽量鉄骨造の問題点について解説していきます。
最近は、北から南まで地震のニュースを聞かないことはありません。耐震性なら木造より軽量鉄骨の方がよいのではと、自宅の新築にあたって悩むこともあるのではないでしょうか。
ところが軽量鉄骨には、木造にはない、数多くのデメリットがあるのです。また現在では木造の耐震性についても、軽量鉄骨造と同等以上の強度を持っており、優位性の面でもほとんど遜色がありません。
この記事では、軽量鉄骨造は本当に新築住宅向けなのか、について詳しく紹介します。
ちなみに、筆者は家づくりの際、まず何となく住宅展示場に行って、知ってる住宅メーカーの話を聞いて会社を決めてしまいました。

建てたあとから、地元に見落とした優良工務店が多くあることを知りました。
建てた家も悪くないけど、もっと安く、自分の希望に叶ったやり方もあったなぁと後悔。
特に最初、自分で住宅会社に行ってしまったため、予算や土地の話などお世話になってしまい、営業トークに乗せられ断りづらくなりました。先に相談しておけばよかった…。
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そもそも軽量鉄骨とは何か
一戸建てでの軽量鉄骨とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。
大手ハウスメーカーの多くでは、規格化された材料を持ちいて、工場で生産した部材を建築現場に運んで新築をおこなうという工法が採用されています。
この場合、軽量鉄骨を利用するれば、規格化材料を容易に調達することができます。また鉄骨ですので、木材と違い、そろぞれひとつづつの強さ(強度)は増すことになります。そのため、同じ柱なら木材より小さな断面を持つような、厚さの細い鉄骨でも利用可能です。
このため鉄骨といっても、大きなビルや橋などに利用するような重量鉄骨ではなく、軽量鉄骨でも使用することができるのです。
軽量鉄骨では、厚さ6㎜未満の鋼材を使用します。なお、ビルなどに利用される重量鉄骨は、逆に厚さ6㎜以上の鋼材が対象となります。とくに建物でも、主に3階建て以上のビルや集合住宅などで利用されています。
軽量鉄骨造と木造の比較
ここで新築住宅を例にとって、軽量鉄骨造の性能について検討してみましょう。日本では、新築でも8割以上が木造住宅であるので、軽量鉄骨造と木造を比べてみます。
住宅の耐久性はまず感心があるところですが、木造が法定耐用年数では22年に対して、厚さ4㎜以上の軽量鉄骨の場合は、34年となっています。
両者ともに、適切な管理や修繕をすれば、法定耐用年数以上の耐久性を得られますが、この点では軽量鉄骨の方が、分があるといえます。
それでは耐久性以外では、軽量鉄骨造の通気性や断熱性などはどうでしょうか。
軽量鉄骨の問題点は、そのものの部材である「鉄」にあります。鉄は木材の約400倍の熱伝導率を持ちます。
伝導率とは、とくに快適な住宅建築の場合に問題となる、熱の伝えやすさのことです。最近は、オフィスなども含め一般の住宅でも断熱という言葉をよく聞きます。
断熱とは、熱を遮断する効果のことであり、その働きの程度が断熱性能といえます。
実は、軽量鉄骨造と木造での断熱性を、厳密に比較することは難しいのが実情です。
同規模で同程度のふたつの住宅を実際に建築して比較するというような、実験例が特に少ないからです。
断熱性の問題に対して、やや古くなりますが、実際に同規模の新築住宅を設計し、断熱性能を比較した研究論文があります。
この論文では「建築学会標準問題戸建住宅モデル」を利用して、軽量鉄骨造と木造による新築住宅の熱負荷を計算・推定しています(下表:両者の住宅設計での設定条件)。
この計算では簡単にいえば、木造住宅の「構造材」を全て軽量鉄骨にしたと仮定して、算出されています。この結果、木造住宅では表の設定条件において、軽量鉄骨住宅より、30%以上の断熱効果があることがわかりました。いずれの木造住宅でも、軽量鉄骨住宅に対して大幅な省エネ効果を示しています。なおY木造住宅とは、アルミなどの断熱パネルを充填した住宅であり、英国などでも展開されている素材を利用しています。
引用元:福岡大学工学集報 第94号、p7~(2014)
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詳細を見る軽量鉄骨造のデメリット
軽量鉄骨造は、実は数多くのデメリットを持っています。強度のありそうな鋼材を利用するというメリットより、デメリットの方が多いのです。
先ほどご紹介しましたように、どちらかというとハウスメーカー側の生産の都合などで、軽量鉄骨が使用されているともいえます。
ここでは木造と比較しながら、そのデメリットについてまとめました。
断熱性が良くない
軽量鉄骨造のデメリットとして最大のものは、断熱性が良くないことです。
軽量鉄骨の柱や梁が、構造上、そのままでは外気と室内をつなぐ「橋」にもなります。断熱材をいくら厚くしても、鉄骨部分から熱が逃げてしまいます。このような熱が逃げる現象を、ヒートブリッジ(すなわち、熱の橋)ということもあり重要な課題です。
新築した住宅の内部から、熱が容易に住宅の外の外部へと逃げていってしまうのです。たとえば、雪国の冬など暖房が必須のところでは、住宅内の暖房の熱量が外部に逃げるという逆効果を生むことにもなります。そのため軽量鉄骨造の住宅では、暖房によるエネルギー負荷が木造より多くなければ、冬でも同程度の住宅内の温度を保つことができません。また夏には、外部より住宅内の温度を低くするために、冷房でのエネルギー負荷が逆にかかるのです。
先ほど紹介した大学工学部での調査研究によれば、年間の暖房や冷房による負荷(冷暖房負荷)は、軽量鉄骨住宅に比べて、木造住宅では30%以上の負荷が低減されています(下記のグラフを参照ください)。省エネルギーにも適合するため、あえて断熱性を高めた形式性能認定を持つような軽量鉄骨住宅(一番右の棒グラフ)に対して、通常の日本の基準で建築した木造住宅(真ん中の棒グラフ)では、37%もの冷暖房負荷が「低減」されているのです。なお一番左の棒グラフは、木造住宅(Y木造住宅)の断熱性をさらに高めるために、英国基準の材料(アルミなど)を使用したものであり、47%の低減効果があります。
家づくりでは、間取りや設備など「この提案が本当にベストなのか」で迷うことがあります。
筆者が家づくりをしたとき、間取りでひと悶着がありました。

住宅メーカーS社で検討を進め、間取りも作ってもらったのですが、別の会社の人にその間取りを確認してもらったら、たくさんのダメ出しがあり、もっと良い間取りが出てきました。
それをS社にもっていったら、S社担当者も気合を入れて間取りを再検討し、さらなる良い間取りになりました。
間取りに限らず、設備や素材など、家づくりって、素人には「これが本当にベストなのか」が分からないんですよね。
特に『住宅会社決め』は中立な立場のプロでないとセカンドオピニオンが出せません。
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部屋の間取りが変えにくく、リフォームが難しい
建築時の工法にもよりますが、軽量鉄骨という制約上、壁にはほとんどの場合、鉄骨の筋交いが入っています。この筋交いがリフォームの大敵となります。
軽量鉄骨造は、それぞれのハウスメーカー独自の設計や工法で組み立てられています。このため、工法のなかには部屋の間取りを変更しにくく、リフォームに制約が出てしまうこともあります。将来的にリフォームを想定している場合は、建てる前にリフォームの実績について、メーカーに問い合わせるとよいでしょう。
木造であれば、内部の部屋の改修や修繕も比較的簡単におこなえます。また内部だけでなく、外部への増築も割合容易です。
当方は中古木造住宅に住んでいますが、台所が手狭になり、スペースを外部に3坪程度増築しています。この場合、木造の外壁部分をとり、中間の柱はそのまま利用する形で設けています。これに対して軽量鉄骨造では、外側への拡張はかなり難しくなります。
なお軽量鉄骨造でも、断熱性能の高い住宅をつくるためには、断熱材や窓などの仕様や種類が重要です。このような場合は、既存の壁や屋根の断熱材をプラスする、窓を断熱性の高い三重窓にするなどの工夫が必要ですが、このようなリフォームに限定するのであれば、軽量鉄骨造でも対応が可能です。
現在では、耐震性の差はほとんどない
一見耐震性のなさそうな木造ですが、軽量鉄骨造との差は、ほとんどありません。
2000年以降の現行の建築基準法(いわゆる200年基準)をみたしている場合、木造でもいわゆる耐震等級3は問題なく取得できます。耐震等級3とは、住宅性能表示制度で設定されている最高ランクの耐震性能のことをいいます。なお2000年基準では、震度7程度の地震でも倒壊しないことを前提としており、木造といってもかなりの程度安心できる基準です。
このように、木造でも構造計算を行うことにより、鉄骨と同等の耐震性を確保できるといえます。なお木造では、全体の重量は軽量鉄骨より軽くなるため、水平方向での地震の揺れに対しては比較的強くなります。このため場合によっては、軽量鉄骨より優位ともいえるでしょう。
日本の新築住宅の8割以上が、未だ木造で建築されています。木造とは、建物の柱や梁など主要構造部に木材を使った構造のことです。
伝統的には、木材が豊富にあったことなどから、昔から多くの住宅で採用されています。このため耐震性の点では、現在では、耐震等級3を満たしていれば、木造でも軽量鉄骨との差は、ほぼないと考えられます。
実は耐火性は、それほど高くない
一見、火事には強そうな軽量鉄骨造ですが、実は耐火性は、それほど高くないのです。
軽量鉄骨造はとくに熱の影響を受けやすく、耐火性が低い点もデメリットとなります。
たとえば住宅火災でも、天井まで焼け落ちてしまうような場合は1千度以上の温度になることがあります。軽量鉄骨では、一定の温度までは耐えられますが、限界を超えると構造材が曲がってしまいます。このため鉄骨を使用していても折れてしまうことで、住宅自体の倒壊のリスクもあります。
軽量鉄骨造でも、耐火被覆材などで耐火性能を強化しているときはそれなりに安心感があります。もし軽量鉄骨造を採用する場合は、リフォームの可能性と合わせて、耐火材料についても確認しておくとよいでしょう。
本体価格や付帯工事が高くなる
最後に軽量鉄骨造では、本体価格や付帯工事が高くなるというデメリットがあります。
本体価格に影響する鉄骨部材が必ずしも安いわけではなく、木造より1割程度は高くなる傾向があります。また断熱性能のところでも記載しましたように、軽量鉄骨造では、木造に比べて壁材の工夫だけでは、断熱性能はアップしません。
軽量鉄骨のこの問題を解決するには、いわゆる外断熱(外張り断熱)を実施しなければなりません。すなわち、建物の外側全体を断熱材で包み込み、ヒートブリッジ現象をもたらす「鉄骨部分を外気から遮断」する必要があります。
木造では、壁の部分に断熱性能のある断熱材を入れること(充填断熱)で、十分な性能を出すことができます。このため軽量鉄骨造で、木造と同じ断熱等級を取ることは可能ですが、同様な断熱性能を出すためには、追加コストがかかることになります。このような追加コストは、実施すると100万円以上の程度になることが多いようです。
軽量鉄骨造でも断熱性能が低いままで居住することも可能ですが、数十年居住することを考えると、光熱費などの支出増が同等以上にもなりかねません。また若いときはそれなりに我慢できますが、高齢者にとっては夏熱く、冬寒い家に住むという大きなデメリットがあります。
これに対して木造住宅では、通気性や吸湿性に優れていることで、さらに木材は鉄よりも断熱性能が高いため、夏は涼しく冬には暖かい空間となりやすくなります。このように軽量鉄骨造のデメリットは、新居購入時の問題だけではなく、長期居住時における快適性や費用増加コストなどにも関係しているのです。
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詳細を見るまとめ
本記事では、一戸建ての軽量鉄骨はなぜやめた方がよいのか、そのデメリットについて研究論文データなどを含めて徹底解説しました。
- 軽量鉄骨造は、規格化された厚さ6㎜以下の鉄骨を用いた耐久性のある住宅です。
- 軽量鉄骨造の住宅について、同等な面積の木造建築と比較した大学の論文によれば、約30%以上省エネである、というデータがあります。
- このように軽量鉄骨造の最大のデメリットは、断熱性能がよくないことです。
- さらに木造と異なり、部屋の間取りが変えにくく、リフォームが難しいという欠点もあります。また木造でも、現行基準であれば耐震性には違いがありません。
- また軽量鉄骨造は、木造と比較しても耐火性はよくなく、本体価格や付帯工事が高くなるというデメリットがあります。
このように軽量鉄骨造では、付帯工事価格などが高くなるという欠点もあり、断熱工事などの費用を削ると、あとあと冷暖房性能の悪い住宅に住み続けなければなりません。
一戸建ての軽量鉄骨造の問題点について解説してきましたが、この記事がみなさまのご参考になれば幸いです。
家づくりは決めることが多すぎて、凄く大変ですよね。筆者も土地、住宅メーカー、設備、間取りと大変でした。

あるアンケート調査では、注文住宅で建てた人の7割の人(筆者もですw)は失敗や後悔と答えたそうです。
後悔した方が知りたかった内容は、
- 間取り・設計のセカンドオピニオン:53.7%
- 複数社を中立的に比較・紹介するサービス:31.7%
だったそうです(筆者もすごく同感です)。
ちなみに、あなたは住宅相談サービスは使っていますか?もしまだなら、上記二つとも丁寧に対応してくれるので利用をおすすめします。
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