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スーパーウォール工法の欠点を一級建築士の施主が解説

スーパーウォール構法 デメリット

こんにちは!スーパーウォール工法で実際に家を建てた、一級建築士の『しま』です。
2023年に自宅を新築し、現在は家族3人で楽しく暮らしています。

家づくりを検討していると、「スーパーウォール工法ってなんだかすごそうだけど、実際どうなの?後悔は?」「デメリットや欠点はないの?」「シロアリの心配は?」など、気になる方もいるのではないでしょうか。

スーパーウォール工法は、高気密・高断熱など住宅の住み心地を重視したい方にとって、魅力的な選択肢のひとつです。

ただ、建築費用や設備のメンテナンス、ランニングコストなど、事前に知っておきたい注意点があるのも事実。

今回は、一級建築士として、また、実際にスーパーウォール工法で家を建てた施主の立場から、メリットやデメリット、シロアリ対策について解説します。
これから家を建てる方は、ぜひ参考にしてみてください!

スーパーウォール工法とは?

スーパーウォール工法(SW工法)とは、LIXILが提供している高性能な住宅をつくる工法です。

  • 高性能なスーパーウォールパネル
  • 高断熱のサッシ
  • 計画換気システム

この3つを組み合わせて、家中どこにいても快適に暮らせる「健康」「快適」「安心」「安全」な住環境の実現を目指した商品で、LIXILの認定をうけた地元の工務店が施工してくれるのもポイントです。

しま家もなるべく地元にお金を落として地元の建築業が少しでも元気になれば‥!と思って地元の工務店にお願いしました。

また、気密測定を実施して住宅の温熱性能や外皮性能、気密性能を目で見て確認できるのも特徴のひとつです。

これは本当におもしろくて、自分の家の性能が数字で見て分かると安心感があってよかったです。

実績としては、誕生してから30年以上ということもあり累計着工棟数は2021年時点で50,000棟を達成。
2026年からは長期保証プログラム(60年無結露保証・建物長期保証)が開始しているそうです!すごい自信ですね。

ここまで見るととても素敵なお家ができそうですよね!

ただし、どんなにいいものにもデメリットはつきもの。
安い買い物ではないので、デメリットもしっかり確認していきましょう。

スーパーウォール工法のデメリット・欠点4つ

スーパーウォール工法を採用する前に、ここだけは知ってほしいデメリットを4つ紹介します。

1. 建築費用が高くなる

スーパーウォール工法のデメリットとして、まず一番に挙げられるのが建築コストです。

高性能な断熱パネルや窓、換気設備などを採用するため、一般的な仕様の住宅と比べてどうしても初期費用が高くなる傾向があります。

しま家の場合も当然、建築コストは気になるポイントでした。通常の木造在来軸組工法とスーパーウォール工法(在来軸組工法)を採用した場合の工事費を工務店に計算して比較すると、だいたい200~300万円くらい増額で震えましたね‥

それでも、家族が長く暮らす家だからこそ、住み心地や住宅性能も重視したいことと、長期優良住宅の認定を受けて補助金ゲット+税金の軽減をしたいという目論見があったので、思い切って採用しました。他にも地震保険料が割引されたりと意外なところでお得感はありました。

なお、比較する住宅の仕様や設備、施工時期、工務店によっても金額は変わります。
しま家の金額は3年前の情報なので参考程度に、自分の家の場合はどれくらいになるのか、工務店に確認して建築コストと性能をチェックしましょう。

2. 施工する工務店によって住み心地が変わる可能性がある

いくら高性能な部材を使用していても、施工の精度が悪くて隙間ができたりすると、高気密・高断熱な家は完成しません。
そのため、断熱材の施工や気密処理、窓まわりの施工など、現場での技術が高い施工業者にお願いすることはとても重要なのです。

スーパーウォール工法では全棟で気密測定を目標としているので、実際に建てられる際には設計上の性能と実際に測定した数値はしっかり確認しておきましょう。

また、工務店を選ぶ際には、次の点を確認してみましょう。

  • 気密測定の結果を確認できるか(今までの実績)
  • 断熱性能や気密性能について分かりやすく説明してもらえるか
  • 施工実績や完成見学会などで実例を確認できるか
    できれば、暑い地域なら暑い日を、寒い地域なら寒い日を選んで行くのが体感しやすくてオススメです。
  • 引き渡し後の点検やメンテナンス体制が整っているか

LIXILの認定を受けている工務店なので、極端にひどい会社はないと思いますが、実際に建てるのは自分たちです。担当との相性もあるので、自分たちの目でしっかり確認しておきましょう。

ちなみにしま家の場合は、私が仕事がら建築関係の知り合いが多かったこともあり、何度か打ち合わせもさせてもらって安心してお任せできる工務店にお願いしました。

3. 換気設備のメンテナンスが必要

スーパーウォール工法では、主に3種類の計画換気システムによって室内の空気環境を調節します。

  • エコエア(第1種換気・給気排気とも機械)
  • けいざい君(第3種換気・給気は自然、排気は機械)
  • すっきり君(第3種換気・給気は自然、排気は機械)

この換気設備はフィルターの清掃や交換など、定期的なメンテナンスが必要となります。

しま家はエコエアを設置しているのですが、換気設備のお手入れはやはりめんどくさくて個人的には一番デメリットかもしれないです。
しかもペット(トイプードルと猫)を飼っているせいか、2〜3ヶ月に1度はフィルターのお手入れランプが点灯しています。

毎日ドタバタで忙しくてつい清掃ランプがついてもそのままにしがちな我が家‥しかし、適切な換気を維持するためには、換気設備のお手入れは必須。分かってはいるんですけどね‥

夏場忙しくてフィルターのお手入れをしばらくサボっていたら、夜中に寝室の湿度が連日70%超えで熱くて起きる事が続いて、その時は気づいてませんでしたが、おそらくお手入れをサボったせいですね‥(ズボラでお恥ずかしいです‥)

何がそんなに面倒くさいのかというと、機械は天井に設置されているので脚立を準備しないといけないのがとにかく面倒です。
特に私は低身長なので低い脚立だと届かず‥そのためお手入れは主に夫にお願いしています。

天井に設置されているエコエアです。運転中は除湿機くらいの音がします。

あとは交換フィルターが結構高いのもちょっとデメリットです。
2年に1度は交換が必要なのですが、なんと1枚約10,000円。

前に交換したのがいつかも覚えてないし、LIXILストアでフィルターを購入するにも、何個か種類があって自分たちの使っているエコエアに合うフィルターを正しく選択するのも大変です。(覚えておけばいいだけの話なんですけどね)

しま家では常に予備を1枚準備して、その箱に交換する予定日をメモすることでどうにか対応しています。

ただし、ここはスーパーウォール工法を採用していない方でも第1種換気を採用される場合同じ状況になると思うので、スーパーウォール工法にしたせいでここが大変!というものでもないですが、採用される方は要確認を!

4. 住宅性能が高くても光熱費が必ず安くなるとは限らない

高気密・高断熱の住宅は、エアコン等の冷暖房機器の電気代を抑えやすい点が魅力で、営業の方にもここをポイントに説明されるのではないでしょうか。

ただし、住宅性能が高ければ、光熱費が劇的に安くなるというわけではありません。

実際の光熱費は、住んでいる地域やそれぞれのライフスタイル(家族構成や在宅時間など)、冷暖房の設定温度、給湯設備の性能、電気会社やプランなどによっても変わります。

しま家も、電気代は賃貸時代に比べると安くなったものの、今までの半額になった!なんてことはなく。
賃貸時代の電気代+ガス代(LPガス)の合計額と比べると、若干安くなったかな、という程度です。

何なら太陽光パネル(蓄電池なし)もあり、夏の日中は7〜8kwくらい発電はしてるので、その分日中の電気代はかかってないことを考えるとほぼ変わってないですね。

部屋の面積が単純に賃貸時代の4倍くらい?になっていることと、子どもが生まれてエアコンや加湿器をいっぱい使うようになった事を考えるとすごいな、とは思います。

ちなみに2026年8月の電気代はだいたい13,400円でした。
ちょうど私が育児休暇中で子どもと一緒に過ごしていたので、日中もリビングの一番大きなエアコンはほぼつけっぱなしでした。そのぶん洗濯は日中にまとめでてきたので太陽光発電分は有効に使用できたかな、という感じです。そう考えたら安いのかな?

こういったケースもあるので、建築前に説明された光熱費のシミュレーションをそのまま実際の支出と考えないようにしましょう!

番外編.しま家的デメリット

これをデメリットと思うのはうちだけかもしれませんが‥

スーパーウォール工法は、高気密住宅になるので、冬場に石油ストーブが使えません‥!
高気密のため室内で使用すると、酸欠や一酸化炭素中毒になってしまいます。

あの独特の匂いやデザインが好きだったし、ストーブの上で焼くお餅が好きだったので、これは個人的にとても残念だったポイントです。

他にも開放型のファンヒーター等も使用できないようです。

これはスーパーウォール工法だから使えないというわけではなく、高気密住宅の宿命ですね。

スーパーウォール工法はシロアリに弱い?対策は必要?

スーパーウォール工法を検討している方の中には、シロアリ被害が心配な方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、木造住宅である以上シロアリ対策は必要です!

スーパーウォール工法でもシロアリ被害のリスクはある

住宅の断熱材をシロアリが食べた、という話を聞くことがありますが、スーパーウォール工法に使われる断熱材(硬質ウレタンフォーム)も、シロアリに弱い発泡プラスチック系の断熱材のため、シロアリ対策は必要です。

ここで誤解をしてほしくないのが「スーパーウォール工法にしたからシロアリに対して特に注意が必要」ということではない点です。

住宅の断熱材によく使われるグラスウールなどはシロアリに強いので、スーパーウォール工法にしたらシロアリに注意と言われるのかな、と思います。

ただし、断熱性能が高くなりやすいのはグラスウールよりも発泡プラスチック系の断熱材なので、スーパーウォール工法以外の現場でもよく使われています。
※ 断熱性能は製品によって異なります。

また、スーパーウォール工法に関わらず、木造の場合、シロアリ対策は建築基準法にも規定されています。(ベタ基礎等の選択、高耐久樹種の使用など方法は色々。)

工法に関わらず、木造で家を建てるのであればシロアリ対策はしっかりしておきましょう。

これから家を建てる方は、工務店に防蟻処理の方法や保証期間、定期点検の内容を確認すると安心です!

ちなみにしま家の場合はベタ基礎、柱などの主要構造部に高耐久樹種(ヒノキ)を採用、地面から1m以下の部分に防蟻薬剤を使用しています。

また、今回確認しましたが、施工してくれた工務店は20年程度実績はあるようですが、建てた住宅の中で被害が報告されたことは今までなかったそうです。

どれだけ地震などに強い家を建ててもシロアリ被害に遭ったら強度が担保されないので、ここはしっかり対策しておきたいですね。

スーパーウォール工法ってリフォームできるの?

これはよく誤解されているのですが、スーパーウォール工法にも種類があり、柱や梁で建物を支える「在来軸組工法」を採用した場合、スーパーウォール工法以外の木造在来軸組工法と条件は同じで、一般的には構造に関係してくる「耐力壁」と呼ばれる壁以外の間仕切り壁などは撤去・変更が可能です。

ウーパーウォール工法にしたせいでリフォームができない、などの制限はありません。

また、同様に通常の在来軸組工法と比べて必要となる壁が多くなる、大きな開口が取れないなどの条件もありません。

詳細な条件によって間取りの制限はありますが、それは他の在来軸組工法で建てられた住宅でも同じこと。特に身構える必要はないので安心してください。

ただし、リフォーム等で外壁を改変した場合、新たに設置する壁もスーパーウォール工法の壁パネルを使用しないと性能が下がったりする可能性がある点は注意が必要です。

とはいえこれからも技術は進歩していくので、リフォームを考えたときにはもっと良いシステムが開発されてスーパーウォール工法以外のパネルを使用しても性能に問題がない、なんてことも十分考えられます。

スーパーウォール工法のメリット

ここまでデメリットを紹介しましたが、スーパーウォール工法にはたくさんのメリットもあります。
紹介する前にしま家のスペックを共有します。

  • 四国の暑い県
  • 省エネ地域区分:7地域
  • 熱損失係数(Q値):1.63 W/(㎠•K) ※小さい方が熱損失が少ない
  • 外皮平均熱貫流率(UA値):0.46 W/(㎠•K) ※7地域の基準値:0.87(値が小さい方が断熱性能高い)
  • 冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値):1.3 ※7地域の基準値:2.7(値が小さい方が遮蔽性能高い)
  • 相当隙間面積:0.41 ㎠/㎡ ※HEAT20基準値:0.7(小さい方が隙間が少ない)

冬は暖かく、夏は冷房が効きやすい

実際にスーパーウォール工法の家に3年住んでみて、私が感じている一番のメリットは、冬の暖かさと夏の冷房の効きやすさです。

もちろん、室温は外気温や日当たり、冷暖房の使い方などにも左右されます。

特に住んでいる地域が四国のほぼ南国なので夏場とにかく暑いのですが、エアコンは1階リビングに1台と各寝室のみで対応できています。

さすがにエアコンなしでは過ごせませんが、それでも実家に帰省したときなど、家のありがたみをものすごく感じます。

冬も、雪が降ったような特別に寒い日でも、家の中は暖かくて外出したら思ってたよりも寒くて慌てて上着を暖かいものに変えた、なんて事もありました。

結露が少なく、日々のお手入れの負担を抑えやすい

ここは35年保証が出ていることからも分かるように、LIXILさんも自信を持っているところです。

左:性能報告書、右:35年無結露保証書

実際に住み始めてから、窓などに発生する表面結露は見たことがありません。

壁内部の結露は見えないので分かりませんが、日常生活で結露が出ないのは衛生面でも、建具などの耐久性の面でもとてもいいですね!

また、結露の発生状況は室内の湿度や外気温などによっても変わるので、他の住宅で同じ状態になるのかはわかりませんが今は60年無結露保証も出るようなので、ここは信頼できそうです。

まとめ|スーパーウォール工法はデメリットも理解した上で採用しよう

スーパーウォール工法には、初期コストが高くなったり、換気設備の細かなメンテナンスが必要になったりと、デメリットを全く知らずに建てると取り返しのつかない後悔ポイントになってしまします。

ただ、実際に住んでいる私自身は、夏の冷房の効きやすさや冬の温かさ、結露のなさを実感していて、今のところメリットの方が勝っています。

家づくりでは、初期コストだけではなく、住み心地やランニングコスト、将来の維持管理まで含めて検討することがとても重要です。

スーパーウォール工法が自分たちの暮らしに合っているのか、メリットとデメリットの両方を理解して採用をするのか、はたまた見送るのかをじっくり検討してください。

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