こんにちは、みんなの家レビュー編集部のYushiです。
木造の会社で、リビングに柱が必要だったり、大きな窓が作れなくて悩んでいませんか?
鉄骨にすれば可能かもしれませんが、そうすると大手メーカーばかりで費用が高くなるし、木造より断熱性も下がってしまいますよね。
実は最近では、木造でも大開口・大空間が実現できる、SE構法や木造ラーメン構法などが出てきています。
通常の木造だとスパンが3.6~4.5m程度ですが、大開口構法の木造だと9mや、設計方法によれば12mも可能になっています。
ただし構造材や基礎、サッシなどの費用が上がることがあり、どの住宅会社でも自由に実現できるわけではありません。
まずは対応店舗を自力で探すのではなく、住宅相談サービスに聞いて、近くの対応工務店をピックアップしてもらうのがおすすめです。
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大開口対応の工務店を自力で全て探すのは、素人では難しく、そもそも素人が自力で家づくりを進めること自体、東京と大阪を自転車で行くようなものです。
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木造で大開口を実現する3つの構法
木造で大開口をつくる代表的な方法は、以下の3つです。
- SE構法
- 木造ラーメン構法や独自の木造構法
- 木造トラス構造
大開口の幅や建築費は、構法によって異なります。それぞれの特徴を比較すると、以下のようになります。
| 構法 | 仕組み・作り方 | 大開口・無柱スパンの目安 | 住宅への採用 | 坪単価の目安 |
|---|---|---|---|---|
| SE構法(重量木骨の家) | 構造用集成材を専用金物で強固に接合し、柱と梁で建物を支える | 約6~9m 特殊設計で12m以上 |
多い | 約80万~120万円 |
| 木造ラーメン・独自木造構法 | 太い柱と梁を強固に接合し、壁ではなくフレームを中心に建物を支える | 約5~7m 構法によって異なる |
比較的多い | 約80万~130万円以上 |
| 木造トラス | 木材を三角形に組み、屋根や梁にかかる力を分散させる | 約10~20m 設計次第で20m以上 |
住宅では少ない | 個別見積もり |
※「開口幅」は窓や出入口として開放できる幅、「無柱スパン」は柱から柱までの距離です。公表されている数値には両方が含まれるため、単純には比較できません。
一般住宅で採用しやすいのは、SE構法とハウスメーカー独自の木造ラーメン・大開口構法です。大断面集成材や木造トラスは、一般住宅で採用されることもありますが、店舗、倉庫、体育館、事務所などの中大規模木造建築で多く使われています。
1.SE構法について

SE構法は、株式会社エヌ・シー・エヌが提供する木造の構造システムです。
強度の高い構造用集成材と専用の接合金物を使用し、柱と梁を強固に接合します。鉄骨造のようなラーメン構造の考え方を木造住宅に取り入れているのが特徴です。
建物ごとに構造計算を行うため、耐震性を確認しながら、在来工法では難しい大開口・大空間を計画できます。
SE構法のメリット
- 柱の少ない大空間をつくりやすい
- 大きな窓やビルトインガレージと相性がよい
- 吹き抜けやスキップフロアを採用しやすい
- 建物ごとに構造計算が行われる
- 将来の間取り変更に対応しやすい
SE構法のデメリット
- 一般的な在来工法より費用が高くなりやすい
- SE構法登録施工店に依頼する必要がある
- 構造材や接合金物の選択肢が限定される
- 対応する工務店がない地域もある
SE構法に対応する工務店の例:8社
| 会社名 | 所在地 | 主な施工エリア |
|---|---|---|
| アワハウス | 北海道 | 札幌・千歳・北見周辺 |
| マルナカホーム | 神奈川県 | 神奈川・東京周辺 |
| 関工務所 | 群馬県 | 群馬・埼玉周辺 |
| 近藤建設工業 | 静岡県 | 静岡県内 |
| つむぐ家/EMSS | 大阪府 | 大阪・奈良周辺 |
| 伊田工務店 | 兵庫県 | 兵庫県周辺 |
| 浅井良工務店 | 和歌山県 | 和歌山・南大阪周辺 |
| エヌテック | 広島県 | 広島県周辺 |
2.木造ラーメン構法・独自木造構法で大開口を実現する

木造ラーメン構法とは、柱と梁の接合部を強固に固定し、フレーム全体で地震や風の力に抵抗する構法です。
一般的な在来工法は耐力壁によって建物を支えますが、ラーメン構法は柱と梁で建物を支えられるため、壁を減らして大きな開口部をつくりやすくなります。
大手ハウスメーカーの中には、木造ラーメン構法そのものではなく、独自の柱・梁・耐力壁・接合金物を組み合わせて大開口を実現している会社もあります。
会社例:6社
| 会社名 | 構法・技術 | 特徴 |
|---|---|---|
| 住友林業 | ビッグフレーム構法 | 独自の「BF(ビッグフレーム)構法」を活かすことで、木造住宅でありながら最大幅7.1mの連続した大開口を実現できる |
| 大和ハウス工業 | グランウッド構法 | 門型フレームなどにより有効開口幅約5.7mに対応 |
| 三井ホーム | Gフレーム構法 | 集成材ラーメンフレームとツーバイフォー耐力壁を融合し、最大約7.3m(幅は最大約8m、高さ約6m)の全面開口やビルトインガレージ、2層分の吹き抜けを可能に |
| AQ Group/アキュラホーム | AQダイナミック構法 | 無駄な壁や柱を無くした天井高約5.6mの大空間や、約30帖の無柱空間も作ることが可能 |
AQダイナミック構法は、厳密には木造ラーメン構法ではありません。
高倍率耐力壁などを組み合わせた独自木造構法ですが、木造で大開口・大空間を実現できる選択肢として掲載しています。
3.木造トラス構造で大空間を実現する

木造トラス構造とは、木材を三角形に組み合わせ、屋根や梁にかかる力を効率よく分散させる構造です。
比較的小さな断面の木材でも長い距離を支えられるため、柱のない広い空間をつくりやすくなります。
住宅では勾配天井や吹き抜け、大きなLDKなどに利用できますが、倉庫、店舗、工場、体育館などで採用されるケースが多い構造です。
ただし、こちらの構法は一般住宅で採用している会社は極わずかです。
木造トラスのメリット
- 長いスパンを柱なしで支えられる
- 一般流通材を活用できる場合がある
- 構造材を見せるデザインにできる
- 屋根形状の自由度を高めやすい
木造トラスのデメリット
- 専門的な構造設計が必要
- 一般住宅の施工実績が少ない
- トラス部分が天井裏や室内空間を圧迫する場合がある
- 形状や接合部が複雑になると費用が上がる
| 会社名 | 所在地・対応地域 | 特徴 |
|---|---|---|
| シグマ建設 | 埼玉県を中心とした地域 | 木造トラス住宅の施工実績があり、最大10.92mのスパンを実現 |
| 株式会社合掌(木造トラス研究所) | 関西全域 | 木造トラス住宅を建築。設計士や工務店を含む建築チームの編成にも対応 |
| スムホーム | 長崎市・諫早市・大村市周辺 | Kトラス工法により、柱のない大空間や大開口のある注文住宅に対応 |
| 山本工務店 | 奈良県を中心とした地域 | 自社開発のスーパートラス工法を注文住宅に採用 |
トラス構法は倉庫や体育館などに用いられることが多い工法で、住宅用に採用している会社は非常に少なく、みんなの家レビューで探して見つけられたのは上記4社のみでした。
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詳細を見る木造住宅に大開口を採用するメリット
窓が大きく作れて開放的かつ冬の暖房費節約になる

大きな窓を設けると、外から光を取り込みやすくなります。
リビングと庭やウッドデッキを連続させれば、実際の床面積以上に室内を広く感じられるでしょう。
また、窓から太陽光を入れることで、窓面積1m2あたり0.4kW前後の暖房効果があります。
一般的なエアコンをフル稼働で3~4kWであることを考えれば、8~10m2ほどの窓面積(高さ2.2mで幅4.5mの掃き出し窓)をとれれば一つの大きなエアコンをフル稼働させる程度の暖房効果があります。
冬の低い位置の日光は部屋に入れ、夏の高い位置からの日光は軒などで遮る「パッシブ設計」にも効果的です。庭や景色を室内から楽しめる

山や海、庭などの景色がよい土地では、大開口によって周辺環境の魅力を室内に取り込めます。
窓を単なる採光設備ではなく、景色を切り取るフレームとして設計できるのも大開口住宅の魅力です。
大人数で過ごしやすい

LDK内の柱や壁を減らすことで、家族や友人が集まりやすい広い空間をつくれます。
将来的に間仕切りを追加したり、家具で空間を分けたりできる設計なら、家族構成の変化にも対応しやすくなります。
木造住宅に大開口を採用するデメリット
建築費が高くなりやすい

大開口を安全に実現するためには、強度の高い梁、専用金物、高倍率耐力壁、基礎の補強などが必要になることがあります。
さらに、大型サッシや高性能ガラスは一般的な窓より高額です。
断熱性能が低下しやすい
いくら窓を高性能にしても、断熱材がしっかり入った壁に比べると、圧倒的に窓の断熱性は低いです。
そのため窓は大きければ大きいほど、家の断熱性やUa値は悪化します。
開口部を大きくする場合は、樹脂サッシや木製サッシ、Low-E複層ガラス、トリプルガラスなどを検討しましょう。
また、シャッターの設置も検討しましょう。シャッターにより特に冬の夜は窓が直接外気に触れなくなるため、大きな断熱効果が期待できます。
夏の日射で室温が上がりやすい

南側の大開口は冬の日射取得に役立ちますが、夏の日射をそのまま室内へ入れると、室温が大きく上昇する可能性があります。
屋根の軒を深くする、あるいは二階の南にベランダを配置し、夏の高い位置からの日光は入らないようにすることをおすすめします。
あるいは庇、外付けブラインド、植栽などを利用し、季節ごとの日射を調整するパッシブ設計を意識することが大切です。
外からの視線が気になる

大きな窓を設けても、道路や隣家から室内が丸見えになれば、カーテンを閉めたままになる可能性があります。
窓の大きさだけでなく、道路、隣家、庭、塀、植栽との位置関係まで考えて設計しましょう。
家具を置ける壁が少なくなる

大開口を優先すると、テレビ、収納棚、ソファなどを置ける壁が減ってしまいます。
窓を決める前に、家具や家電の配置まで計画しておくことが重要です。
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詳細を見る木造大開口の会社選びで確認したいポイント
構造計算を行っているか

大開口を採用すると、耐力壁の配置が偏りやすくなります。
壁量だけで判断するのではなく、建物にかかる荷重や地震力、風圧力、接合部、基礎まで含めて構造計算を行う会社を選びましょう。
希望する開口幅の施工実績があるか

「大開口に対応可能」と書かれていても、実際に施工した開口幅は会社によって異なります。
モデルハウスや施工事例で、希望に近い大開口を実際に確認するのがおすすめです。
大開口窓で断熱性が落ちないようパッシブ設計を検討してくれるか

窓をいくらトリプルLow-eの最高級断熱仕様にしたところで、本物の断熱材が入った壁に比べると断熱性は段違いに低いです。
窓から家の熱は出入りします。そのため大きな窓を設置すると、夏暑く冬寒い家になる可能性があります。
UA値や窓の熱貫流率だけでなく、日射取得・日射遮蔽を含めたパッシブ設計や温熱計算ができる会社を選びましょう。
大開口を含めた総額を比較する

住宅会社を比較するときは、大開口に必要な構造補強やサッシが見積もりに含まれているか確認してください。
最初の見積もりが安くても、契約後に大型サッシや構造補強が追加されると、総額が大きく上がることがあります。
木造大開口についてよくある質問
木造では最大何mの開口をつくれますか?
一般的な木造住宅では、柱のない開口幅は約3~4mがひとつの目安です。
一方、SE構法や木造ラーメン構法では約6~9m、木造トラスでは約10~20mの無柱空間を実現できる場合があります。
| 構法 | 大開口・無柱スパンの目安 |
|---|---|
| SE構法 | 約6~9m 特殊な設計では10m以上 |
| 木造ラーメン構法 | 約5~8m 採用する構法によって異なる |
| 木造トラス | 約10~20m |
ただし、個人住宅で現実的に検討しやすい開口幅は6~9m程度です。
また、「構造上確保できる開口幅」と「一枚の窓ガラスで製作できる幅」は異なります。構造上は6mの開口を確保できても、窓はサッシの製作可能寸法やガラス重量の関係で数枚に分割されることがあります。
大開口にするならSE構法が一番ですか?
個人住宅で6~9m程度の大開口をつくりたい場合、SE構法は採用工務店も多く実績もあるため、有力な第一候補です。
大開口と耐震性を両立しやすく、全棟で構造計算を行う仕組みが整っているうえ、全国に登録施工店があるため、木造トラスなどと比べて依頼先を探しやすいからです。
| 構法 | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| SE構法 | 6~9m程度の大開口と耐震性を両立したい人 吹き抜けやビルトインガレージも取り入れたい人 構造計算や施工体制が規格化された構法を選びたい人 |
希望する地域に登録施工店がない人 3~4m程度の開口で十分な人 |
| SE以外の木造ラーメン構法 | 特定の住宅会社の設計や独自構法に魅力を感じる人 大開口だけでなくデザインや設備も含めて会社を選びたい人 |
複数の工務店から同じ構法で比較したい人 |
| 木造トラス | 平屋や勾配天井で広い無柱空間をつくりたい人 三角形のトラスを室内デザインとして見せたい人 10mを超える大スパンを検討している人 |
一般的な2階建て住宅を建てたい人 希望する地域に対応する会社がない人 トラスを見せない一般的な天井を希望する人 |
一般的な2階建て住宅で大開口を希望するなら、まず全国に600以上と登録店舗も多いSE構法を検討するのが現実的です。
一方、依頼したい住宅会社が独自の木造ラーメン構法を持っている場合や、平屋で10mを超える無柱空間をつくりたい場合は、木造ラーメン構法や木造トラスの方が適することもあります。
ただしトラス構法対応の会社は極わずかで、希望する地域に対応する会社がある可能性は限りなく低いです。
まずSE構法か、木造ラーメンや独自構造に対応した住宅会社に依頼することがもっとも現実的です。
在来工法やツーバイなどの構法でも大開口にできますか?
在来軸組工法やツーバイ構法でも、梁や耐力壁、接合金物、床、基礎を適切に設計すれば、大開口を実現できる場合があります。
まずは希望する工務店や住宅会社に、大開口が可能かどうか聞いてみましょう。対応してくれる可能性があります。
また、対応してくれる場合でも、施工事例と構造計算への対応を確認しましょう。
契約したいがために、お客の言う通りに無理に対応させるのか、それとも技術的根拠をもとに正しく対応してくれるのか。
本当に耐震性や強度に問題ないか、よく見極める必要があります。
大開口にすると耐震性が下がりますか?
必要な耐力壁を考えずに窓だけを大きくすれば、耐震性が低下する可能性があります。
一方、構造計算を行い、建物全体で必要な耐力を確保すれば、大開口と耐震性を両立することは可能です。
大開口にすると固定資産税は高くなりますか?
大開口にしたことだけで、固定資産税が一律に高くなるわけではありません。
ただし、高価な大型サッシや建築設備、内外装などが家屋評価に影響する可能性があります。具体的な評価は自治体や建物の仕様によって異なります。
まとめ
木造住宅でも、SE構法、木造ラーメン構法、木造トラス構法や、在来・ツーバイでも建築の工夫によって、大開口・大空間を実現できます。
一般住宅で選びやすいのは、SE構法、木造ラーメン構法です。
ただし、大開口は窓を大きくするだけでは実現できません。構造、断熱、日射、外からの視線、家具配置、予算までまとめて考える必要があります。
住宅会社を選ぶときは、希望に近い施工実績を確認し、構造補強や大型サッシを含めた総額で比較しましょう。
同じ間取りを複数の住宅会社に相談することで、実現可能な開口幅や構法、必要な費用の違いが分かりやすくなります。
また、住宅会社のピックアップを自力で行い、比較するのは非常に手間と時間がかかる作業です。
失敗を防ぎ、時間と労力を削減するには、住宅相談サービスは欠かせないものです。素人が家を自力で建てると様々な失敗や後悔を生む可能性があります。
伴走してくれる心強いパートナーを一人持ち、相談しながら家づくりをされることを強くおすすめします。
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